• 10期 学生応援団

Pt2. 約100大学による長編オムニバス映画 監督インタビュー

最終更新: 2020年9月21日

オムニバス映画「突然失礼します!」より、新たに8名の監督にインタビューさせていただきました。


監督ごとに異なる希望への解釈を踏まえて作品を見ると一味違った鑑賞ができること間違いなしです。学生たちが作り出す大作はYouTubeにて公開中です。(最後のリンクからぜひご覧ください。)

野口理美監督 日本大学・映画サークルBroaders、LIBERO

(YouTube 23:18、タイトル『サンライト逃避行』)

LIBERO、ATO!、日芸祭実行委員会所属、機材藩にも所属。 映画からドラマ、シチュエーション系やVtuber編集までエンタメ系で幅広く活動。 好きな映画:パイダーマンシリーズ。

① 参加を呼びかけられたときどのように感じましたか?

驚きました。こんな大胆な活動をされている方がいるのか…と

しかし、自分もできることがあれば面白いと思いってみようと思いました。


② 撮影環境に限りがありましたが、どのような工夫を凝らしましたか?この状況を逆手にとって、良かった点はありますか?

私たちの作品は元々撮っていた連ドラの違うエンディングとして制作しました。

シナリオは大丈夫だったのですが、カメラの配置のやりとりとかはむずかしかったです。


③ 作品の見どころを教えてください。

オタクの心を観て欲しいです。私たちの作品は、アイドルオタクとアイドルの関係性の概念を描いた作品です。私自身がアイドルオタクでもあるので、このコロナ期間で辞めていくアイドルを見届ける辛さを経験しました。そんな中で、「僕たちはいつまでも君が戻ってくることを待ち続けたい」「君がアイドルじゃなくなっても好き」という気持ちがあることを感じ取って欲しいです。


④ 学生だからこそ持ちえる映画の力は何だと思いますか?

映画が好きという気持ち、その情熱だけで動けてしまうということかなと思います。

プロの方のように機材や予算もない、加えて今回のように、友達とも会えない、大学に行けないという状況の中で、こうしてオンラインで動けてしまうというのが学生ならではの力だと感じます。


⑤ あなたの作品を通して捉えた「希望」とは何ですか?

この期間でたくさんのアイドルが辞めるという決断をして、私の「推し」も目の前から消えてしまったんです。その事実を思い返しては病んでしまっていたのですが、果たしてその子たちが今どうなっているのか、私たちに対してどう思っていたのか、ということを考えた結果、いち人間だったんだなと、ストンと心に落ちてきたことが、ある意味「希望」だと思えました。学生映画だからこそ、自己満足な作品でもいいのではないかと思います。誰かのためにやっているわけではないので、自分の作品を通して、自分の解釈で、あの子たちは幸せだったという答えが出せたことに「希望」を見出しています。



伊藤潤監督 横浜市立大学・映画研究部

(YouTube 1:21:04、タイトル『Go To 映画館』)


横浜市立大学 3年 映画研究部 部長。好きな映画: Nuovo Cinema Paradiso, Under The Silver Lake, Boyhood

① 参加を呼びかけられたときどのように感じましたか?

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、大学の授業開始が遅れたのと同時に、映画研究部の活動もできていないときに声かけていただき、かつスケールの大きな話になりそうであったので非常にワクワクしました!


② 撮影環境に限りがありましたが、どのような工夫を凝らしましたか?この状況を逆手にとって、良かった点はありますか?

室内という限られた条件かつ、1分という短編であるため、いかに簡潔にメッセージを伝えるに注力しました。一方で、このような状況でも、アイデア次第で、いろんなことができるという可能性も感じました。


③ 作品の見どころを教えてください。

今回が初めての作品でした。何を意図して作ったのか視聴者の方に考えて頂きたいので、事前情報を入れずにとりあえず見て頂けたらなと思います。


④ 学生だからこそ持ちえる映画の力は何だと思いますか?

純粋さが先行して表れるところが、学生だからこそ持ち得る映画の力だと思います。プロと違って技術や撮影環境は限られてきますが、その分自分の思いを先行して表せる映画が作れると思います。


⑤ あなたの作品を通して捉えた「希望」とは何ですか?

ふと思いがけないところから希望が見えてくること。一概に自分が思い描いていた希望だけでなく、皮肉とか、自分が予想もしていなかったところから希望が出てきました。



熊谷宏彰監督 群馬大学・映画部MEMENTO

(YouTube 1:28:46、タイトル『主よ、人の望みの喜びよ』)


群馬大学映画部MEMENTO部長(創設者)。2019年10月に同サークルを結成。同月公認化。 2018年11月~12月にかけ、ヒッチハイクで日本縦断。その行動力を活かし、2020年4月よりSNS上で全国の大学生へ参加を呼びかけた。120以上の団体を繋げ、コミュニティを形成。本企画の基盤を作り上げた。 好きな映画:きっと、うまくいく、ダークナイト、時計じかけのオレンジなど。

① 参加を呼びかけたときどのような思いでしたか?

やはりどの学生も考えていることは同じで、全員「撮りたい」という強い思いを持っていたことを確信し、呼びかけを行い、これだけ多くの大学が参加したというのは改めて感慨深く感じます。


② 撮影環境に限りがありましたが、どのような工夫を凝らしましたか?この状況を逆手にとって、良かった点はありますか?

撮影環境の設定について、比較的自由度が効くように設定したつもりでしたが、いざ撮るとなると非常に頭を悩ませられました。ただその環境があったからこそ、シンプルな物語にしようと決心がつき、目の前にあったものを全て設定として利用しようと腹を据えることが出来ました。


③ 作品の見どころを教えてください。

作品のテーマは希望です。希望というのは、創造と破壊の間に生まれる副産物であると思っています。その破壊を演出するために、トマトを握り潰して料理をつくる過程を撮りました。想像と破壊の表れ、それから最後にブラックコメディー的なオチを迎えるところに注目して見ていただきたいです。


④ 学生だからこそ持ちえる映画の力は何だと思いますか?

商業映画や大作映画はある程度の縛りが生じます。やはり、「自由さ」は学生ならではの表現だと思います。普通だったら出来ないことも学生だからこそできます。「自由」が学生映画の根底であり、強みである思います。


⑤ あなたの作品を通して捉えた「希望」とは何ですか?

これが初めて撮った映画で、本当に映画が撮れるんだという自信がつきました。それが希望の一つでした。

そして野口さんの発言を聞いて、もう一つの希望を見出しました。僕は、野口さんの考え方ではく、映画は大衆娯楽と思っています。自己満足でやった結果、今の学生がこんなにクローズドになっていると思います。映画は「観られれば良いもの」ではなく、「観せなくてはいけないもの」観られてなんぼなのです。こういった点がまだまだ浸透していない状況は変えられるのではないかという、ある意味逆説的な希望を見出しました。



北川琳監督 横浜市立大学・映画研究部

(YouTube 1:54:23、タイトル『螺旋』)


埼玉県所沢市生まれ山口県山口市育ち。幼少時、テレビドラマやバラエティ番組にエキストラ等で出演経験あり。 好きな映画:エクスペンダブルズ、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

① 参加を呼びかけられたときどのように感じましたか?

コロナ禍でせっかく持て余した時間があるのだし、何かしら行動できるのならば乗ってみようか、という感じでした。作品の終着点がどういうかたちになるのか想像はできなかったので、手探り手探り積み重ねていきましたね。発端がTwitterで会議はZoomで、という進歩した今日の技術のお陰で完成した作品です。


② 撮影環境に限りがありましたが、どのような工夫を凝らしましたか?この状況を逆手にとって、良かった点はありますか?

「スマホで映画すら撮れちゃう」と言われるようになった時代なので、スマホでノーカットという手法が一番時代を象徴するかなと思い撮影しました。制作はど素人なので大目に観てくださるとありがたいです笑 


③ 作品の見どころを教えてください。

僕の作品は本編の中では稚拙に感じられると思いますが、「このぐらいの作品もあっていいだろう!むしろあった方がカラフルになっていいじゃない」と勝手に自分で言い訳をして提出しました。アニメやらホラーやら、本当に色んな作品が揃っていて、他に類を見ない多様さを誇っていると個人的には思います。若い作家の個性的な作品群をこれでもかと詰め込んだ不思議なテイストが見所です!


④ 学生だからこそ持ちえる映画の力は何だと思いますか?

ピュアな部分をそのまま120%ぶつけられるところだと思います!


⑤ あなたの作品を通して捉えた「希望」とは何ですか?

この作品は一見タイムリープものになっています。実体験として、日常生活が単調に過ぎ去っていくように感じたことがありました。その時は「希望」も「絶望」も感じませんでしたが、タイムリープのように日常生活が単調に過ぎ去っていくことは「絶望」一辺倒ではないのだと思います。見方を変えれば「希望」になるのだということを作品の中で表現したつもりです。絶望と希望は表裏一体であると考えています。



白濱修己監督 鳥取大学・映画研究会

(YouTube 1:54:23、タイトル『螺旋』)


大阪府箕面市出身 工学部機械物理系学科2年 。 好きな映画: スコセッシ作品(特にタクシードライバー、ミーンストリート、グッドフェローズ)、アメリカンビューティー

① 参加を呼びかけられたときどのように感じましたか?

1分、室内、希望の条件で何か面白いものが思いつかないかなと考えました。やりたい事が見つかったので、参加することを決めました。


② 撮影環境に限りがありましたが、どのような工夫を凝らしましたか?この状況を逆手にとって、良かった点はありますか?

そのまま自分の部屋を写すと、生活感、親近感が出過ぎてしまうだろう、画に映るものが多すぎると何を写したいかが分からなくなるだろうという懸念から部屋の物をすべて片付けて、撮影しました。良かった事は、初めての作品を撮るきっかけになったことです。


③ 作品の見どころを教えてください。

内容は一見希望とかけ離れているのですが、どんな状況でも希望は見出せる。と思っています。どこに希望があるか探していただきたいです。ラストは波の音、公園の音に加えてハイジの笑い声を使いました。


④ 学生だからこそ持ちえる映画の力は何だと思いますか?

無責任さだと思います。自分が作りたいものを無責任に作ることができるので、自分の思想そのままに描けるのが強みです。


⑤ あなたの作品を通して捉えた「希望」とは何ですか?

私の作品は自殺をする男性の話で、、、、自殺する人たちは生きることに絶望していると思うのですが、きっと死ぬことに希望を持っているのではと思うんです。またニュースなど見ると苦しんでいたのだろうと世間は言いますが最後の顔を見た人は誰もいません。もしかしたらニコニコ笑っていたのかもしれません。今生きている人がその人に絶望するのではなくて、笑っていたのかもしれないと希望を持つことも「希望」ではないかなと考えました。



篠田衛監督 立教大学・立教大学シネマトグラフ

(YouTube 2:12:08、タイトル『全然』)


東京都出身。「WAKE UP!!!」がCinema Terminal Gate005にて入選。オンラインで制作した完全リモート映画「オンラインイカサマ」が現在YouTubeにて公開中。 「突然失礼致します!」では映像作品の出展に加え、エンディングの楽曲提供を行なった

① 参加を呼びかけられたときどのように感じましたか?

嬉しかったですね。全く知らない方から、僕たちを見つけてくれただけでなく、作品制作のオファーを受けることは今までありませんでしたから。自主制作映画を人から依頼を受けて作品を作るというのはとても新鮮だったし、嬉しかったんです。既存ではない新たなコミュニティができたことも嬉しかったです。


② 撮影環境に限りがありましたが、どのような工夫を凝らしましたか?この状況を逆手にとって、良かった点はありますか?

昔から家で勝手に映像作品を1人で撮っていたので、自宅でしか撮影ができず、スタッフも1人も呼べないという制約自体はそれほど大変ではありませんでした。むしろ60秒以内に収めるという時間の制約が大変でした。今まで作品の尺を秒単位で決められたことがなかったので、シナリオや撮影段階ではイメージが掴めず、初期の編集段階で3分を超えていた時には、「これは大変なことになるな」と予想がつきました。


③ 作品の見どころを教えてください。

1分という尺の制限が初めてで苦労しました。最初に撮った作品は3分になってしまい削らなければならず、、、、ですが説明過多なセリフ・展開を削ぎ落としたことで映像だけの力で、話を語ることができました。スタイリッシュなCMぽい、きれいに落ちる部分を楽しんでもらいたいです。


④ 学生だからこそ持ちえる映画の力は何だと思いますか?

学生は何者でもない。キャリアなどないので失うものははない。大胆不敵になれるところが強みだと思います。


⑤ あなたの作品を通して捉えた「希望」とは何ですか?

私の捉えた希望は2つあります。1つはこの様な状況でも映画は撮れるんだという希望です。他にリモートで映画を撮っており、誰とも会わずに作る中で強く感じました。

対面で撮りたいと感じる部分はあったものの、あえてポジティブな部分のみを写し、リモート映画っていいよねというコメディー映画を撮ったので、そのワクワク感、キラキラしたところにもう1つ、希望を感じました。



林龍太郎監督 大阪芸術大学・映画研究部

(YouTube 2:48:00、タイトル『有漏(URO)』)


芸術学部映像学科2年。普段はうる斎と名乗り、絵や漫画を描いている。映画には専ら美術部と俳優部で参加する。好きな映画:べゴッテン、2001年宇宙の旅、スラム砦の伝説。

① 参加を呼びかけられたときどのように感じましたか?

ちょうど映研の作品がひと段落して、数ヶ月後に始まる実習系の授業まで映画製作の空白期間ができていたところだったので、暇つぶしができるなと思いました。


② 撮影環境に限りがありましたが、どのような工夫を凝らしましたか?この状況を逆手にとって、良かった点はありますか?

ずっと同じアパートで撮っていることが分かると世界観の広がりが損なわれるので、抽象的なカットを多くして表現の幅を広げてみました。


③ 作品の見どころを教えてください。

最後のアニメーションパートで一瞬映るパロディポスター。これは自分が描いたものなので是非見て欲しいです。個人製作の部分では、僕がボディペイントを施して廊下を歩くカットの、両手に握られた木の棒です。テーマが希望だったので、木棒(キボウ)を持ってみました。


④ 学生だからこそ持ちえる映画の力は何だと思いますか?

何においても、自由ということ。学生はどれだけ馬鹿なことをやってもいいと思うんです。学生映画なら人を何人殺しても構わなくて、でもそれは、大人が作る商業映画ではなかなかできないこと。今しかできないことをやる力があるということが、学生だからこそ持ち得る映画の力だと思います。


⑤ あなたの作品を通して捉えた「希望」とは何ですか?

内的世界への没入ということでしょうか。「希望」と言うのは外部にあるものではなく、自分の内部を探検して見つけてくるものだと思っています。それを映像化するにあたって、アパートという自分のホームグラウンドの中で撮りました。アパートから一歩も外へ出なくとも、内側、つまりホームグラウンドの中のものだけで内的世界を描けることが一つの希望だと思えます。


小松蒼太監督 関西大学・映画研究部

(YouTube 2:55:19、タイトル『タイセツナミライ』)


文学部3年。フィルモグラフィー:『きょうたろうのくすぶりキャンパス・ライフ』シリーズ 『小松蒼太 ショート・ショート集「いのち」』 『コマツソウタ カミング・オブ・エイジ』 『ギャラクシー・ワーキングホリデー』 好きな映画:クン・パオ!燃えよ鉄拳

① 参加を呼びかけられたときどのように感じましたか?

全国の大学生をまとめ上げる総監督の熊谷さんの、電話からも伝わる熱意とは裏腹に、僕は完全に五月病で何もしたくなかったので、「1分ならなんとかなるか」と思い参加を決めました。誘っていただけて本当に良かったです。


② 撮影環境に限りがありましたが、どのような工夫を凝らしましたか?この状況を逆手にとって、良かった点はありますか?

コロナ以前から1人や少ない人数での撮影をしたり、家で撮影をしたりということをよくしていたので、それほど変わりなくいつもの小手先で挑むことができました。時間の調整が苦手で、いつも10分くらいの映像を作ろうとして20〜30分くらいになってしまっていたので、今回1分の映像に挑戦できたことは大きな一歩でした。


③ 作品の見どころを教えてください。

作品が1分とはいえ作品数の多いオムニバス映画なので、できるだけあっという間に感じてもらえる様、リズム感を大事にしました。「バシャーン、ポンポンポンポンポン、ドカーン」と言っていれば作品が終わってしまう感じ、そんな音を楽しんでもらいたいです。


④ 学生だからこそ持ちえる映画の力は何だと思いますか?

後で見返した時に恥ずかしくて死にたくなる様な、自分の一面が良くも悪くもはっきり目に見える形で残ってしまうところです。


⑤ あなたの作品を通して捉えた「希望」とは何ですか?

映画は製作者の「こんな画を撮りたい、見せたい」など「希望」を形にしたものなので、映画自体に希望が現れていると思います。そのためあえて私の作品には希望というテーマをはっきり表現しないようにしました。



いかがでしたか?

皆さんの強い思いを感じていただけると嬉しいです。

監督方の経験や個性が全面に出た、学生パワー全開の作品をぜひお見逃しなく!

人気投票も開催中なのでぜひチェックしてください!


公式サイト:https://a.japaration.jp/index.php


(執筆:りん)

(インタビュー:りん・あみ・ひろたか)